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ネジ締結のはなし 2  ~ 座面はどこなのか

この記事はエコラン競技振興のため これからエコランを始めようとする中高生のための情報を提供します
目次は こちら


さて ネジ締結のはなし 1 でネジで物が留まる直接の原理を説明しました

1.穴を合わせてピンを挿す
2.クソ力で挟み込む

でしたね
では2.の「挟み込む」 はどことどこで挟むのか が今回のお題です

こういう状況を例に考えます
もっとも単純な「ボルトナット締結(ていけつ)」です
ネジ締結のはなし 2  ~ 座面はどこなのか_f0067355_13512053.png

青と黄色 二つの部品をお互いに留めます
もちろんこれは断面と言う意味で 板の端っこにボルトを通している訳ではありません
ネジ締結のはなし 2  ~ 座面はどこなのか_f0067355_13543420.png



まずネジを締めるため スパナを使って時計回りに回します
かみ合った二つのらせんを回転させるとお互いの距離が近づこうとしますよね
この時のボルトとナットのかみ合い部分の断面を拡大してみます
ネジ締結のはなし 2  ~ 座面はどこなのか_f0067355_13491225.gif

ボルトとナットのらせんはキッチリ密着している訳ではなく隙間が空いています
締めようとすると片側の隙間がなくなり お互い押し合います

この時の力学はちょっと横に置いておきます
我々はネジを設計するのではなく ネジ締結を設計する訳ですので とりあえず必要ありません
ここで重要なことは
ネジを軸回りに回すとネジが軸方向に移動する
という点です

そのままどんどん締め込みます

ネジ締結のはなし 2  ~ 座面はどこなのか_f0067355_21562173.gif

どんどん締め込むとやがてナットとボルトの「かさ」の部分が対象部品に当たります
この事を「着座(ちゃくざ)」と言い 当たった部分を 
「座面(ざめん)」
と言います
ネジ締結のはなし 2  ~ 座面はどこなのか_f0067355_14243064.png

留まる原理は「挟み込む」ですから 一つの締結に対し座面は2ヶ所1組が基本です
「ダブルナット」の様に2つの座面を兼用する場合もあります
何かを挟むのではなくネジとネジとの間でギュッと挟む場合です
ネジ締結のはなし 2  ~ 座面はどこなのか_f0067355_14332879.png

ダブルナットの例
ネジ締結のはなし 2  ~ 座面はどこなのか_f0067355_15284357.png

反対に1つの締結に対し 座面が3ヶ所以上あるような設計は異常です
ネジ締結の原理は「挟み込む」のですから どことどこで挟んでいるのか
座面はどこなのか
設計する時はこれをはっきり答えられるようにしてください



と言う訳で今回のタイトル 「座面はどこなのか」 を説明する回ではなく 設計者に聞いているのです

どこを座面にして挟むんですか? つまり何と何を留めるんですか?

設計者自身がはっきり目的を意識しないと訳のわからん設計になります
挟みたい所が挟まってなかったり 挟みたくない所を挟んだり 挟む必要のない所を挟んだり
まったく必要性の無いネジが付いていたり 必要なのに役に立っていなかったり

「そんなバカな」って思うかも知れませんが さっそく全ネジ締結部位チェックしてくださーい




つづく



 

by irukaworks | 2017-04-04 14:10 | 中学生からはじめるエコラン入門 | Comments(0)